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「樹…」
樹「なに?」
「ごめん、あと…ありがとう…」
樹「別に。次は絶対に好きな人としろよ。」
「…そんな日が来るといいけどね、」
樹「……」
私は着替えてる樹に言った。
数分前まで私は樹に抱かれていた。
私のバカなお願いを聞いてくれた。
あんだけ口では無理って言ってたけど、ちゃんと私のことを考えて優しく抱いてくれた。
行為中も何度も大丈夫か聞いてくれた。
それが嬉しかった。
でも樹は最後に凄く泣きそうな顔をしてた。
その瞬間、私は本当にバカなお願いをしたんだなって改めて思った。
私はあの顔をきっと一生忘れない。
樹「一緒に帰るだろ?」
「先帰っていいよ、私、もう少しゆっくりしてから帰るから」
樹「一人で体動く?」
「少し休めば大丈夫。それに樹は明日朝早いんだから先に帰ってゆっくり寝て。」
樹「でも、」
「本当に大丈夫だから」
樹「分かった…」
そう言って樹は部屋を出て行った。
「…後ろ姿まで悲しい……」
終わった後も話してる最中もずっと顔が辛そうだった。
本当は一緒に帰りたいけど、そんな辛そうな顔してる樹と一緒にいるのは私も辛い。
「やっぱ優しすぎるんだよ、樹は…」
結局私はそのまま眠ってしまい、ホテルで一夜を過ごした。
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作者名:LALA | 作成日時:2023年1月14日 18時