* ページ24
.
ある日のこと……
『番号ぐらい教えてくれない?』
「しつこいですっ、本当に無理です!」
今日もあるイベントに参加。
本番まで時間があったから会場内をお散歩。
自販機で飲み物を買って帰ろうとしたら男のスタッフさんに声をかけられた。
番号を教えてほしいと言われて結構しつこくて少し大きめの声で断ってその場を離れようとした時、
グイッ…
『うるせぇな、番号ぐらいいだろ、さっさと教えろよ』
「っ、」
突然腕を掴まれた。
そしてさっきまでの優しい口調じゃなくて威圧感がある口調に変わった。
その豹変ぶりが怖くて何も言えずにいると、
健太「うちの子に何か用ですか?」
そう言ってそっと相手の手を私から離した。
『いえ、飲み物を落としたので拾ってあげただけです』
健太「そうですか、ありがとうございます。では、失礼します。」
健太は私の手をひいてその場を離れた。
健太「また声かけられた?」
「はい…」
健太「なんか言われた?なんかされた?」
「何も、ちょっと腕掴まれてビックリしただけです…」
楽屋に戻ってからはなぜか健太さんのお説教が始まった。
さっきまであんな優しく心配してくれたのに今はめっちゃオコなんですけど。
健太「ねぇ、こんなに長く出るなら一人で出歩かないで誰か連れてきなよ」
「別に一人でもいいじゃないですか」
健太「あんな奴に声かけられて腕まで掴まれてさ、もっと危機感持ちなよ。その前にあんなことになる前にさっさと断ればよかったじゃん。」
断ったよ、断ったけどダメだったんだもん。
あんな急に豹変されたらどうしようもないじゃん。
.
355人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:LALA | 作成日時:2022年9月21日 22時