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kazuma.
壱馬「えっ、マジ?」
「はい…」
それはまぁ耳がシュンとしてるぐらい落ち込んでた。
どれにしようか迷ってるカレンちゃんに思わず言った。
壱馬「そんなにリンゴジュース好きなん?」
「はい!大好きです!」
そう言った時のカレンちゃんは今まで見た笑顔とはまた違った笑顔。
その笑顔を見た時、胸がドキッとしたのは今でも覚えてる。
あの無垢な笑顔は頭に焼き付いてる。
壱馬「1口飲んじゃったけどこれいる?」
「えっ!?いいんですか!?」
壱馬「むしろ1口飲んじゃったけど」
「いいです!大丈夫です!」
壱馬「じゃあ、あげる」
そう言ってカレンちゃんにリンゴジュースをあげた。
もらった瞬間また笑顔になった。
垂れ落ちてた耳はまたピンッと上に上がったように見えた。
「これもらったんで壱馬さんの飲み物は私が買いますね!選んでください!」
壱馬「いいよ、自分で買うし」
「じゃあ100円あげます!」
そう言って俺の手に無理矢理リンゴジュース代の100円を握らせた。
その触れた手でまたドキッしたのは俺だけの秘密。
夢のために恋愛はしない。
夢が叶ってもしばらくは恋愛しない。
そう決めた俺の決意が揺らいだ瞬間。
そしてこれが一生に一度の恋だと知るのはまだ先の話。
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作者名:LALA | 作成日時:2022年9月19日 11時