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あれから2週間。
あの人はよく家の近くにいる。
きっとすぐいなくなると思ってたけどなかなかいなくならないし、たんだん一人で帰るのも嫌になってきた。
カツカツ…
今日も一人で帰ってたら後ろから聞こえた足音。
足音が聞こえたのは今日が初めて。
夕暮れ時で、また外は明るい。
どうしてこんなに音が響くんだろう。
最初に後ろを振り返った時に見えた人。
ニコッと笑って手を振っていた。
それは初めて家の近くで会ったあの日と同じ。
怖くなって自然と足は早くなり気付いたら走ってた。
ドンッ…
曲がり角を曲がった時に誰かとぶつかった。
フラついて後ろに倒れそうになった私の腕を誰かが掴んだ。
?「っと、あぶねー、大丈夫?」
聞いたことのある声に安心して涙が溢れた。
私の涙を見て焦ってる健太さん。
健太「ごめん!ごめん!そんなに痛かった!?」
「ちが、そうじゃなくて…っ、」
健太「……どうした?」
様子のおかしい私に気付いたのか、健太さんはさっきまでとは違って低い声で私に聞いてきた。
「っ、怖いよ、健太さん、」
健太「何が怖いの?」
「後ろ…」
健太さんは“ココにいて”と言って、曲がり角を曲がり私が来た道を確認した。
でも、そこには誰もいなかった。
家まであと少し。
その間、健太さんはずっと私の手を握っててくれた。
私は泣きながら今日までのこと、そしてさっきあったことを話した。
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陣「なんですぐ言わんかったんや!」
力矢「陣くん、気持ちは分かるけど冷静に」
陣「せやな…」
陸「で、今日は家の前にいたの?」
健太「いや、誰もいなかった」
「たぶん健太さんがいたからだと思います」
健太「俺?」
「うん。いつもいるのは私が一人の時だったから。この間、たっくんとまこっちゃんと帰ってきた時も、昨日いっちゃんと帰ってきた時はいなかったから。」
瑠唯「それって仕事が終わって帰ってくる時点でつけられてるってことだよね?」
山彰「とりあえず今LINEでマネージャーチームには伝えておいた」
力矢「犯人が捕まるまでは絶対一人で帰らないこと。分かった?」
「はい。」
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作者名:LALA | 作成日時:2022年9月19日 11時