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今市さんは私の手からマグカップを取りテーブルの上に置いた。
そっと私の手を握って私の目を見て言った。
隆二「カレンちゃんが好きだよ」
「えっ……」
隆二「好きだから休みの日にも会うんだよ。好きじゃなかったらご飯も水族館も誘わないよ。車にも乗せないよ。それに頭撫でたり手握ったり、それは好きだからだよ。」
今市さんが私を好き？
同じ気持ちで嬉しい。
でも、私はそっと手を離した。
「私…綺麗じゃないから……私の体、汚れてるから……」
隆二「それはさっきのアイツが原因？そんなの全然気にしないよ？」
「違う…そうじゃない…」
隆二「どういうこと？」
本当のことを話そう。
「あの人にいつも体を触られてました。一番最後にbarで会った日は胸を触られてホテルに誘われました」
隆二「えっ……」
「もちろん断りました。でもそれよりも前に一度だけキスもされたことあります。私が酔って今市さんにキスしたあの日です。」
隆二「……」
「気持ち悪くてあの人のこと忘れたくて今市さんにキスしました」
隆二「でもあれは酔ってたからで、」
「今回のようなこと初めてじゃないんです」
昔のことも話そう。
そして私を嫌いになって。
「2年前…大学時代にも大学の教授にセクハラされてました。」
隆二「……」
「私の体はいろんな人に触られたんです。綺麗じゃないんです。汚れてるんです。だから、今市さんの気持ちには答えられません。」
私が話し終わっても口を開かない今市さん。
……やっぱり嫌われたか。
嫌いになってもらった方がいいって思ったのに、やっぱり嫌われたら辛いや……
私は今市さんの顔を見ることができなくて下を向いた。
隆二「答えられないならさ……なんで泣いてるの？」
「っ……」
本当は嫌われたくないから。
本当は今市さんのことが好きだから。
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作者名：LALA
| 作成日時：2021年11月2日 0時
