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14時過ぎ。
直人「臣、カレンちゃん、今大丈夫?」
涼太が帰ってきたから、登坂さんと一緒に会議室に行った。
直人「今朝の話の続きしよっか。あの状況からして片寄はなんか知ってるんだよね?」
涼太「はい。って言っても知ったのは土曜日ですけど。」
直人「カレンちゃん、話してくれる?」
「……」
涼太「言いにくかったら俺話すよ?」
「ううん、自分で話す…」
私はゆっくり話を始めた。
初めて社長に会った日からずっとセクハラをされて脅されていたこと。
体を触られて、この間キスをされたこと。
広臣「マジかよ…」
直人「怖かったね…話しづらいのは分かるけど、誰かに助けを求めようとは考えなかった?」
涼太「カレン、まだ大事なこと話してないでしょ?」
「……」
涼太「カレン?」
「話せなかったのは登坂さんのためです…」
広臣「俺?」
突然自分の名前を言われて驚いてる登坂さん。
「登坂さんが…1年かけて取った契約だから……それを無駄にするのかって、登坂さんのこと考えたら何をすればいいか分かるよねって……」
広臣「はっ、なんだよ、それ」
直人「カレンちゃん、これは完璧なセクハラとパワハラ。あの社長がやっていることは間違ってる。臣のために自分が傷つく必要はないんだよ?」
「でも…」
広臣「俺からも言わせてもらうけど、仕事は大事だけどカレンちゃんはもっと自分を大切にしてほしい。契約なんていつ切れるか分かんないし、俺のために自分を犠牲にしてほしくない。」
「登坂さん…」
広臣「それにいつからかORIONに行く前も帰ってきた後もすっげぇ辛そうな顔してたよ?俺、そんな辛い思いまでして仕事してほしくない。今朝も言ったけどカレンちゃんには笑って明るく仕事してほしい。」
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作者名:LALA | 作成日時:2021年10月30日 19時