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?「あれ、カレンちゃん?」
「あっ!」
タクシーから降りて歩き出そうとしたら声をかけられ、振り返ると今市さんがいた。
「お疲れ様ですっ」
隆二「接待お疲れ様。もしかして…酔ってる?」
「酔ってないれすっ!」
隆二「うん、酔ってるね…」
一緒にマンションに入り、エレベーターの前で止まる。
「いまいちさんも飲んできたんですか?それともお仕事ですか?」
隆二「月曜日提出のあって今日は追い込みかけてきた!」
「いまいちさんも遅くまでお疲れ様です〜」
エレベーターが着いて二人で乗り込んだ。
ドアが閉まった瞬間、私の体は勝手に動いた。
隆二「ちょっ、」
「……」
なんで私は今市さんにキスをしてるんだろう。
私の唇と体はさっきの社長の感触を覚えている。
それが凄く気持ち悪かった。
私はさっきの出来事を今すぐにでも忘れたかった。
チーン…
私の体は動かずエレベーターのドアは閉まって再び上昇した。
隆二「…俺、酔ってる子にキスされても嬉しくないんだけど。それに、泣くぐらいならこんなことするの辞めなよ。」
「っ……」
今市さんに言われて気付いた。
私は泣きながら今市さんにキスをしていた。
それは社長のキスを思いだしたからじゃない。
今市さんに冷たいことを言われたからじゃない。
私が今市さんを好きだから…
好きだって気付いたから…
こんな汚された私のことを今市さんが好きなってくれるはずがない…
そう思ったから、だから……
隆二「明日ピザ行くの辞めよっか」
「えっ…」
隆二「ごめん、俺、今のカレンちゃんとは出掛けたくないや」
5階に着いたエレベーター。
今市さんは私を置いてエレベーターを降りた。
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作者名:LALA | 作成日時:2021年10月30日 19時