LANTANA (ページ28)

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苦しい想いページ28

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サクラ「そういえば、あのピアスどうしたの？」

「クローゼットにしまってある」

サクラ「渡せばいいのに」

「だから同じもの2つもいらないでしょ」

サクラ「残してても意味ないじゃん。渡すか誰かにあげるかしないと。」

「……じゃあ、捨てる」

サクラ「雑誌見て臣さんの誕生日プレゼント選んでるときのかれん凄く楽しそうだったのに」

「……」

久しぶりにお仕事は夕方まで。

サクラちゃんは彼氏の家に行くと帰っていった。

「食べても全然元気になれない…」

一人スタジオに残った私はクッキーを食べていた。

昨日の夜に作ったレモンナッツクッキー。

元気になる魔法のお菓子なのに今回は全然魔法が効かない。

ガチャ…

誰か来たと思って、鏡越しにドアの方を見た。

そこにいたのは臣くんだった。

広臣「かれんちゃん、このあと空いてる？」

「あ、空いて…ないです…」

広臣「そっか…じゃあ、また今度ご飯行こう？」

「えっと……」

広臣「行きたくない？」

「そういうわけじゃ…」

広臣「あっ、それって前にくれたクッキー？」

臣くんは私の手元にあるクッキーを指差した。

「はい。」

広臣「魔法効かないの？」

「えっ？」

広臣「元気になる魔法のお菓子なんでしょ？でも、元気ないから魔法効かなかったのかなーって。」

「…臣くんといると苦しい…」

広臣「えっ…」

「臣くんと喋ってると苦しい…臣くんを見ると苦しい…」

私は鞄を持って臣くんの声を無視してその場から離れた。

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