LANTANA (ページ22)

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渡せなかったプレゼントページ22

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広臣「ごめんね、待った？」

「ううん、大丈夫です！」

私からご飯に誘ったのは今日が初めて。

広臣「かれんちゃんから誘ってくれたの初めてだからちょっとビックリしちゃった。」

「なんかすいません…」

広臣「ううん、嬉しかったよ」

臣くんと過ごす時間は楽しい。

だから楽しくて全然見てなかった。

私は渡す直前まであることに気付かなかった。

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広臣「もう22時半か」

「もうそんな時間ですか？」

広臣「そろそろ帰ろっか」

「あ、あのっ……」

私は鞄の横に置いてあった紙袋に手をかけた。

渡そうと思って臣くんの顔を見た瞬間、ある物がふと目に入って私はそっと紙袋から手を離した。

広臣「どうかした？」

「いや、なんでもないです…」

すぐ気付けたはずなのにどうして気付かなかったんだろう。

臣くんの耳には私がプレゼントしようと思ったピアスが付いていた。

「そ、そのピアス、カッコイイですね…」

広臣「あー、これ？誕生日にスタッフの人がくれたんだ。欲しかったピアスだからめっちゃ嬉しくてずっと付けてるんだ。」

「…すごく似合ってます」

広臣「ありがとう」

その日もタクシーで家まで送ってもらった。

精一杯の笑顔で臣くんに“バイバイ”と言った。

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