魔法の言葉 ページ17
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hiroomi.
クリスマスパーティーの帰り、タクシーを待ってると急に顔色が悪くなったかれんちゃん。
その顔はどんどん曇っていって今にも泣きそうな顔で俺にお礼を言ってマンションの中に入っていった。
気になった俺はタクシーを降りてかれんちゃんの家へ向かった。
部屋から出てきたかれんちゃんは泣いていた。
体が勝手に動いて俺はかれんちゃんを抱きしめていた。
「ベランダ行ってもいいですか？」
広臣「いいよ」
少し泣いて落ち着いたかれんちゃんはベランダに向かった。
俺もあとを追うようにベランダに出たら、かれんちゃんは空を見上げていた。
広臣「もう一度抱きしめてもいい？」
「なんでですか？」
広臣「今のかれんちゃんはそれを望んでるのかなーと思って。」
「…いつもそれはマイちゃんの役目でした…」
広臣「今日は俺がしてもいい？」
「はい…」
俺はゆっくりかれんちゃんを後ろから抱きしめた。
かれんちゃんは空を見上げたまま話し始めた。
「今日は星がありますね」
広臣「本当だね」
今日はクリスマス。
空にはたくさんの星が輝いていた。
「3年前…星も月もない真っ暗な夜でした」
広臣「3年前？」
「3年前…付き合ってる人がいました。4個上で優しい先輩でした。でも、好きだったのは私だけだったんです…」
最初から他に本命がいて自分が遊びだったこと。
別れたときに言われたことを話してくれた。
そしてさっき偶然すれ違ったこと。
話ながらかれんちゃんの体は震えていた。
俺は今よりも少しきつくかれんちゃんを抱きしめた。
「今日は一人になるのが怖いんです…」
広臣「大丈夫、俺がそばにいるから…かれんちゃんが泣きたいときや不安なときは俺がそばにいて魔法の言葉をかけてあげるから。」
「魔法の言葉ですか？」
広臣「レモンナッツクッキーみたいに元気になれる魔法」
そう言ったとき風が吹き俺はかれんちゃんの手を強く握っていた。
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作者名：LALA
| 作成日時：2022年3月21日 21時
