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「んっ…」
広臣「起きた?」
「今、何時ですか?」
広臣「2時。遅いからこのまま泊まっていきな。」
本当は彼女と一緒にいたいだけ。
少しでも長く一緒にいたいだけ。
初めて会った男の家に行くのはどうかと思うけど、初めて会った女を家にあげる俺もどうかしてる。
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「じゃあ、帰りますね」
広臣「また会える?」
「合わせます」
広臣「また連絡する」
彼女の唇にキスを落としたあと、彼女は“また”と優しく微笑んで帰っていった。
次に彼女に会ったのは3日後。
仕事終わりに合わせて俺の家に来てもらった。
今日は気になることを全部聞くって決めてる。
広臣「俺のこと知ってる?」
「登坂広臣さんですよね?」
広臣「最初から気付いてた?」
「お店で話してるうちに気付きました。」
広臣「そっか。結婚してる?」
「…はい」
広臣「これ不倫だよな」
「世間一般ではそうなりますね…」
広臣「旦那と上手くいってないの?それとただ刺激を求めてるだけ?」
「私はただ愛されたいだけです。」
それから何度か会い、会う度に体を重ねた。
会って体を重ねる度、俺たちはどんどん離れられない関係になってしまっていた。
それは体だけでなく心までも。
彼女がどうして愛にこだわるのか。
彼女の本当の寂しさの意味に気付くのはもう少し先の話。
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作者名:LALA | 作成日時:2022年3月14日 22時