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男は俺に殴りかかってきた。
軽くよけてもう一度蹴りを入れた。
今度は顔面に。
男はその場に倒れた。
鮫岡「相手見て考えろ。二度とこいつに近付くな。」
俺はあいつの手を引っ張りその場を後にした。
「ねぇ、離してっ」
鮫岡「……」
「離して…」
最初は無視したけど何度も言われるとムカつく。
俺は足を止め、手をそっと離して振り返った。
「助けてくれてありがとう…もう大丈夫だから、もう一人で帰るから…」
その言葉がさらに俺をイラつかせた。
鮫岡「お前さぁ、なんなの？」
「なにが？」
鮫岡「学校には来ねぇし、カフェ行ってもいねぇし。うざいぐらい毎日来てたのに急に意味分かんねぇんだけど。」
「…もう迷惑かけないって言ったじゃん、」
鮫岡「お前の今の行動が分かんなくてそれが逆に迷惑なんだよ。飽きたらそう言えよ。嫌いならそう言えよ。そうやってハッキリ言わねぇからさっきみたいな変な男に絡まれるんだろ。」
「っ、」
違う、俺が勝手に怒ってるだけ。
こいつは何も悪くない。
下を向いたのを見て、少し言い過ぎたかなって思った。
謝ろうとした時…
「もう会いたくないの…」
鮫岡「……」
「諦めるって決めたの、会ったら嬉しくなっちゃうから…会ったらまた好きってなるから…忘れようと思っても忘れられないの…好きなの、鮫岡くんのことが好きなのっ…」
涙を流しながら話すこいつを見て俺が感じたのは“愛しい”だった。
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作者名：LALA
| 作成日時：2023年3月15日 22時
