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慎[しばらく会えないのかもう会えないのかどっちなんだよ]
[それは私次第かな]
慎[意味分かんねぇ]
[慎…?]
慎[夢叶えようって言ったじゃん。一人で先に走って、俺はまだ追い付いてないのに逃げんのかよ。俺は絶対負けない。絶対上に行く。そんなんだったら夢叶わねぇぞ。]
[うん、そうだね、叶わないかも…]
慎[はっ?]
[私は逃げたの、辛かったの、耐えられなかったの、寂しかったの、だから…だから逃げたの。だから、もう慎に会う資格なんてないの。]
意味分かんねぇ。
この世界にいる限り、辛いのは当たり前だろ。
慎[耐えられなかったのはAが弱いからだろ]
[…そうかもね…ごめん、もう切るね]
俺はジッとスマホの画面を見てた。
壱馬「何があったか分からんけど、ケンカしたならはよ仲直りするんやで」
慎「ケンカじゃないっす」
壱馬「そうか?言い合ってるようなにみえたけど?」
慎「…Aの気持ちが分からなかったから」
その日を最後にAと連絡を取ることはなくなった。
最初の1週間はAの活動休止のネタでテレビは賑わっていた。
レコード大賞獲って今年の活動も期待されていた時だったから。
でも、ニュースの入れ替わりは早い。
少しずつAのニュースが流れなくなって、活動休止を発表して1ヶ月経った頃には、Aのことなんて誰も話していなかった。
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作者名:LALA | 作成日時:2023年8月26日 18時