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am 5:50
俺は家を出た。
そこはタクシーで15分ぐらいの場所。
少し高台にあるお墓。
普通こんな所で初日の出を見る奴なんかいない。
きっと俺とAぐらいだ。
いつもの大木の場所に向かって歩いてるとすでに階段に座ってるAがいた。
「あっ、あけおめ！」
慎「売れっ子なんだから変装ぐらいしろよな」
「やだよ、売れっ子じゃないもん」
サングラスも帽子もしてないA。
俺は被っていたニット帽をAに被せた。
「ふふ、あったかい」
慎「今年の時間は？」
「6時50分ぐらい！」
慎「まだ30分ぐらいあるな」
こうやって会って話すのはきっと半年ぶり。
前に話したのは事務所でリハをしてる時。
たまたま自販機に行った時にAに会った。
あの時はAが仕事の合間で時間がなかったから挨拶しただけ。
……あれ、挨拶だけってことは、こうやってしっかり会って話すのは去年の正月ぶり？
「慎ももうすぐだね」
慎「あー、デビューか、」
「私、慎がデビュー出来るってずっと信じてたから。ずっと頑張って待ってて良かった。」
慎「なんだよ急に」
「本当のこと言ってるだけだよー」
慎「レコード大賞獲ったし、今年も大忙しだな」
「そうでもないよ」
慎「いや、あるだろ。また曲たくさん出してツアーもするんだろ？俺がデビューしてもAは俺の何百倍も前を歩いてる。」
「…大丈夫。慎はきっとすぐに追い付いてすぐ私を追い越すよ。」
慎「そんなことねぇよ」
「あるの」
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作者名：LALA
| 作成日時：2023年8月26日 18時
