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A慎にお願いがあるんだけど…







そう連絡が来たのは一週間前。

ツアーが始まったばっかで忙しかった俺とAの予定が最短で合ったのが今日だ。

午前中のメンバー会議を終えた後、俺はレコーディング部屋へ。







慎「ごめん、遅くなった」

「ううん、大丈夫」







今日はレコーディングをするわけじゃない。

“ただ歌ってみたい”

Aはそう言った。








慎(別に俺いらなくない?)

(自分の部屋で歌ったことはあるけどちゃんとした所で歌うの活動休止前が最後だから緊張しちゃって…)

慎(なんで俺?)

(慎がいたら歌える気がするから)








少し話した後、Aはブースに入った。

今ココにいるのは俺とマネージャーの佐々木さん。

あとAがずっとお世話になってるプロデューサーさん。







P「Aちゃん、大丈夫?」

「はい、大丈夫です」

P「音、流すよー」







曲が流れた。

イントロだけですぐ分かった。

この曲は去年のクリスマスに配信リリースした曲。







「…、」

P「大丈夫だよ、音止めるねー」







Aは歌えなかった。





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作者名:LALA | 作成日時:2023年8月26日 18時

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