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慎「なんでアメリカ行くって分かった時に教えてくれなかったの?佐々木さんも言ってたけどなんで調子悪い時に相談してくれなかったの?」
「…慎、私の話、聞いてくれた?」
慎「えっ?」
「いつも連絡してたのは私からで慎からは全然ないし返事もない。事務所や仕事場で会っても挨拶だけで雑談はなし。いつ相談すればよかった?いつ教えたらよかった?」
慎「……」
「だからだよ、言わなかったのは。」
Aの言う通りだ。
あの頃の俺はAと距離をおいていた。
Aのことが嫌でも嫌いでもないけど、どんどん有名になっていくAを心の底から素直に喜べなかった。
だから距離をおいていた。
慎「なんか、ごめん…俺さ……」
俺はあの時思っていたことを全部Aに話した。
「バカ」
慎「はっ!?」
「バカ、本当にバカ、慎のバカ。」
慎「そんなバカ、バカ言うなよ。」
「そんなの勝手に慎が思ってただけじゃん。私は慎のことずっと待ってたしずっと頑張ってたの。慎がいたから頑張れたの……寂しかったよ、慎から連絡がこなくなって…だから、途中から頑張れなくなっちゃった。」
慎「A…」
初めて知ったAの気持ち。
結果、Aの喉が悪くなったのは支えてあげれなかった俺のせいなんじゃないかと思った。
「慎のせいじゃない、それだけは絶対違うから。」
Aには俺が思ってることが伝わってしまったようだ。
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作者名:LALA | 作成日時:2023年8月26日 18時