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壱馬「佐々木さんが言ってた言葉?」
「ただ今のAは歌うことを恐れてる。俺はあんな辛そうなA二度と見たくないからあんな状態になるなら歌わなくてもいいと思ってる。人前に出なくていいと思ってる。」
慎「俺には病気とは別の理由がある気がするんです」
壱馬「…慎がそう思うんならそうなんやない?」
慎「えっ?」
壱馬「そうかもしれんしそうじゃないかもしれん。気になるなら本人に聞いたらええやん。電話に出るかも分からんし返事もないかもしれん。慎がほんまに気になるんやったら自分からぶつかってけ。ほんで諦めるな。」
慎「壱馬さん…」
壱馬さんの言葉は俺に刺さった。
その日から俺は毎日Aに連絡をするようになった。
前とは違って俺が一方的に送るだけで基本既読スルー。
返事来ないのがこんなにも辛いなんて知らなかった。
Aも同じ気持ちだったのかな…そう考えたら凄く申し訳なく思った。
ただ、返事はなくても既読がつくことが俺にとって“俺は拒まれてない”っていう安心材料だった。
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作者名:LALA | 作成日時:2023年8月26日 18時