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慎「Aは戻ってくるんですか?」
佐々木「それはA次第だから分からない。戻ってきたとしてもまた歌を歌うとは限らない。」
壱馬「それは病気が完治しないからですか?」
佐々木「一生歌えないっていうわけじゃない。歌おうと思えば歌える。ただ今のAは歌うことを恐れてる。あんな辛そうなA二度と見たくないから、あんな状態になるなら歌わなくてもいい、人前に出なくていいって俺は思ってる。」
慎「そんなに酷い状態だったんですか?」
佐々木「あぁ。俺は言ったんだぞ。慎には相談しろって。それをしなかったAにも問題はあるけどな。」
慎「……」
壱馬「あの、Aは元気ですか?」
佐々木「それがさー……」
一気に暗くなる佐々木さん。
まさか体調が悪化してるとか。
ベッドから起き上がれないとか。
佐々木「笑えるぐらい元気なんだわ!笑」
慎壱馬「「「…えっ?」」」
まさかの回答過ぎて拍子抜け。
佐々木「なんか吹っ切れた感じ。もちろん治療はしてるし、音楽の勉強もしてる。人前に出なくても出来ることはたくさんあるからって。そんなAを見てやっぱり音楽は好きなんだなーって改めて思ったよ。だから、俺はAが戻って来れる場所をしっかり残してあげるって決めたんだ。」
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慎「今日はありがとうございました」
佐々木「既読スルーかもしれないけどたまには連絡してやって。A、いっつも鳴らないスマホ眺めてるからさ。」
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作者名:LALA | 作成日時:2023年8月26日 18時