愛を込めて花束と腕時計を 1 (ページ36)

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you.

1ヶ月前に左腕を怪我した。

ぶつかって怪我をした。

嘘じゃない。

でも私は玲於くんに大きな嘘をついている。

あれは午前中の仕事が終わって一度会社に戻る途中だった。

横断歩道は赤信号。

信号待ちで待ってたとき誰かに背中を押された。

気付い時には道路にいて大きなクラックションの音とともに車が来ていた。

もうダメだ…そう思ったとき誰かに思いっきり引っ張られた。

ドンッ…

ガタンッ…

何かに腕をぶつけた感じはした。

ゆっくり目を開けたら誰かの腕の中にいた。

「あ、ありがとうございますっ、大丈夫ですか！？」

『俺は大丈夫、君は腕大丈夫？』

そう言われて腕を見ると左腕が真っ赤だった。

「大丈夫ですっ、それより…」

男の人の顔と腕が少し切れていた。

『大丈夫、かすり傷だよ』

救急車とパトカーのサイレンの音が近付いてくる。

『あ、これ君のだよね』

「はい…」

その人は地面に落ちていた腕時計を私に渡した。

『じゃあ、俺は仕事あるから行くね』

「でもっ！」

『君はちゃんと病院行ってね』

「あの、お名前は、」

『横浜流星です』

「私は湊カレンです、本当にありがとうございました！」

私は大きく頭を下げた。

そのあと私は救急車に乗って病院へ行った。

どこかで聞いたことある名前だった。

携帯で調べるとすぐ出てきた。

「俳優さんだったんだ…えっ、怪我しちゃダメじゃん！」

あの人、本当に大丈夫かな？

連絡先聞いておけばよかった。

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