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「ねぇ、きなこの散歩付き合ってくれない？」
剛典「いいよ」
ケーキバイキングのあとは少しウィンドウショッピング。
夕方になり突然誘われたきなこの散歩。
一度家に帰りきなこを迎えに行く。
カレンちゃんの手にはさっきまで持っていた鞄とは違い、お散歩セットの鞄が持たれていた。
剛典「俺が持つよ」
「ありがとう」
マンションを出てきなこが行く方について行く。
途中、カレンちゃんが“こっちだよ”ときなこのリードを引く。
歩くこと15分、着いたのは公園だった。
俺たちはベンチに座った。
ベンチの足にリードを結び、きなこは一人おもちゃで遊んでる。
剛典「この公園久しぶりに来た」
「昔来てたの？」
剛典「うん、大学生の頃はここの近くのアパートに住んでたからよく来てた」
「そうなんだ。なんで今のマンションに引っ越したの？」
剛典「会社に近いし、取引先の不動産が紹介してくてちょっと家賃も安くしてくれたから」
「ふーん。いいなー。」
剛典「カレンちゃんの方が不動産関係は多そうだけど」
「まぁね」
剛典「イヤミか！」
「違うし。ペット可の所があまりなかったし、あっても会社から遠かったから。」
剛典「今の所はいつから住んでるの？」
「大学3年のちょうど夏かな」
剛典「なんで引っ越したの？」
「きなこと出会ったから」
剛典「きなことはどこで出会ったの？」
この質問だけは何度聞いても答えてくれない。
ペットショップで見つけたとか、誰かに譲ってもらったとかも言わない。
ただいつも“出会った”としか言わない。
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作者名：LALA
| 作成日時：2022年3月31日 15時
