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剛典「ねぇ、怒ってる?」
「別に」
剛典「絶対怒ってるじゃん」
「怒ってないから。それより夜何食べたいか考えてるの?」
剛典「あっ、うん、海鮮好き?」
「…好き」
剛典「良かった。俺も好きで、海鮮料理専門の店あるからそこに行こう。」
彼女が海鮮好きなのはリサーチ済み。
もちろん兄である直人さんから。
あとはパパッと調べたら良さげな店を駅の近くで発見。
「ん、美味しい!」
剛典「でしょ?って俺も来たの初めてだけどね!」
さっきまで少し不機嫌だった彼女も大好きな海鮮を食べたら超ご機嫌。
どうやら彼女は海鮮の中でも海老がお気に入りのようだ。
「白玉ぜんざいください」
剛典「俺はバニラアイスで」
メインを食べたあとは食後のデザート。
あれだけ食べてあれだけ飲んでお腹いっぱいなはずなのにデザートは別腹らしい。
「あー、美味しい、幸せ」
剛典「片岡さんって甘いの好きだよね」
「えっ?」
剛典「だって、きな粉好きで、お昼のクレープも超甘いやつで、シメは白玉ぜんざい。お酒は辛口が好きなのにね。」
「…悪い?」
剛典「全然。むしろ新たな一面発見出来て嬉しい。って、こんなことこの間も言ったか。」
「あんまそういうこと言わない方がいいよ」
剛典「なんで?」
「女の子はすぐ勘違いするから」
剛典「勘違いじゃないって言ったら?」
「……知らない、早く食べて帰ろう、きなこが待ってる」
俺が言った言葉に視線をズラした彼女。
ほんのり耳が赤くなったのを俺は見逃さなかった。
ねぇ、俺の方こそ勘違いしちゃうよ?
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作者名:LALA | 作成日時:2022年3月31日 15時