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無惨様が居ない。
おそらく十二鬼月の会議だ。
最初で最後のチャンスだと思った。
こんな勇気なんて、きっともう出ないし。
失敗したら、即座に鬼にさせられるだろうと。
まだ人間だから、無惨様は私の気配を追えない。
「…い゛だ、…いたい」
足が血塗れになった。
首の鎖は御手洗の時のみ外してもらえる。
十二鬼月以外の鬼なんて、そう振り払える。
足枷はついたままだし、手錠もかけられていた。
でも、「会いたい」という気持ちが私を押す。
「せんじゅろ、きょ、じろ、」
息が切れる。呼吸が乱れる。
「全集中の呼吸は、肺を意識するんだ!!」
杏寿郎が千寿郎に言っていた。
肺を意識、?…よく分からないけど、
肺の動きを、血管の流れを想像する。
「…いける、っ」
微かな灯り。
「まち…」
街が見えた。
あと少し、あと少しで。
森を駆け抜ける。
「っは、…ぁ゛…は、!」
呼吸のし過ぎで喉が痛い。
酷い耳鳴り、濁りきった視界。
「大丈夫ですか?お姉さん。」
最後に見たのは、蝶の髪飾りを付けた女性。
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さといも。 - MIさん» ありがとうございます、!面白い文が届けられて何よりです、! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - 心さん» ありがとうございます、続き出来るだけ出せるようにがんばります…っ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
MI - めちゃくちゃ面白い!更新頑張ってください!応援します! (2019年10月8日 17時) (レス) id: fbdfd6ec63 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年10月7日 13時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
さといも。 - もうふさん» どちゃくそ嬉しい(( (2019年10月5日 22時) (レス) id: 3b980f9a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さといも。 | 作成日時:2019年10月4日 16時