彼の心を奪いたい。 (ページ5)

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帰り道ページ5

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練習試合が終わり、廉くんの元へ向かう。

｢お疲れ様｣

｢どこ行ってたん？｣

第一声がそれなのね。

素直に保健室で手当をしていたと伝えると
興味の無さそうにふーんと答えた。

｢聞いといてなに～｣

｢別に～。俺着替えてくるから校門のとこで
待っとってや。
あと、夜飯食べたいもん考えといて。｣

奢ったる、なんて言いながら校舎に戻る彼を
見送り素直に校門前に行く。

辺りはすっかり薄暗くなっていた。

『Aちゃーん』

｢あ、お疲れ様！｣

少し遠くの方から練習着でこちらに来たのは
さっきぶりの岸くん。

｢気をつけて帰ってね？｣

『あぁ、うん。その、さ……』

濁すように話す岸くん。
なにかしちゃったかな……。

『連絡先、とか…交換できねえかな～って』

クシャッと笑いながら言う彼に
胸がキュってなった。

少しだけ、、ほんとに少しだけ。

｢いいよ！交換しましょっ｣

あからさまに喜ぶ岸くんがまた可愛くて
ふふっと笑うとそんな私を見て彼もまた笑った。

『じゃあ、また連絡するわ！』

｢うんっ。ありがとう、ばいばい！｣

その後も大きく手を振ってくれた彼。
そんなにぶんぶんしたら迷惑だよ……笑

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