夜を呑む (ページ10)

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あの事件が起きてすぐ、私はドラケンに呼び出された。
そこにはマイキーとドラケンが居て、学校では場地を頼むと言われた。
私は一虎くんと圭介が盗みに入り、人を殺めてしまったことは知っていたが、それだけだった。
事件の真相と2人が行動を起こした理由を知り、私はマイキーがどれだけ苦しんでいるかと推し量ろうとしたが、私には考えられないほどだった。
それでもマイキーは、圭介を気にかけていた。

「オレ…オレ…っ」

初めて見た圭介の涙だった。
考えれば考えるほど胸が締めつけられる。
故意的ではないとはいえ、罪悪感に苛まれ続けたのだろう。
最初は同情からだったが、この時初めて圭介に対して庇護欲が湧いた。

「オレがやったことは消えねぇ。でも、オレを変えてくれたのはオマエだ」

「もう二度とあんな馬鹿なマネはしない、約束する。返事はしなくていい、オレはオレなりにケジメをつけたかった」

「オレを救ってくれてありがとう。オマエのお陰でオレはまたマイキー達と走れるし、東卍のままで居れる。オレは馬鹿だからオマエに迷惑かけ続けた」

「そんなこと思ってないよ」

「オマエのその優しさに惚れた」

「ん？」

「好きだ」

忘れもしない11月28日、私は圭介に告白された。
もちろん断るはずもなく、私は圭介を受け入れた。
これは同情じゃなく、私も圭介が好きだったからだ。
真っ直ぐで優しくて一生懸命でカッコイイ人だった。

「A…」

「圭介…」

初めてのキスはクリスマスだった。
私を見つめる瞳はまるでコタツの中みたいに熱かったのに、重ねた唇はお互いの体温でぬるくて仕方なかった。