・ ページ42
「いらっしゃアアアい！！！」
龍くんの強烈なスパイクが決まり、また1点と日向くんと影山くんのチームに得点が入り、第１セット目が終了する。
龍くんは中指を立てて月島くんを大声で煽る。
それにスガくんや力くん達が茶化すように言うので、私もそれに混じる。
「なんでお前が一番威張ってんの田中〜」
「そーだー！1年のおかげで打ててるクセに〜」
「態度でかいぞ〜」
「ついでに声もデカいぞ〜」
「ハゲー」
龍くんは大声で反論するが、私達はそれを無視して第２セットの準備を始める。
私は影山くんのトスを顔面に受けていたことが心配で、日向くんに近づいた。
「顔、痛くない？」
「んへぇ！？」
「ボール、顔面に当たってたでしょ、結構速いの」
ここ、とボールが接触していた面を対になるように指さしたが、日向くんは顔を赤くするばかりで何も答えない。
6月ぐらいまでの龍くんみたーい、と笑うと龍くんは顔を赤くしてうるせえ！と叫んだ。
「そんだけ喋って動けるなら問題ないか、顔って怖いよ〜脳震盪起こしたり、口の中が切れて血塗れになったり、舌噛み切ったり」
「日向がビビってるでしょーーが！！」
顔を真っ青にして震える日向くんが面白くて、つい話を盛ってしまう。
龍くんに止められてしまったが、私はいいカモができたとニヤニヤしていた。
なんなら序盤で、潔子ちゃんのメガネがずり落ちる所も見てしまった。
「でさあ、私ずっと思ってた事あるんだけど、聞いていい？」
「ん？」
「龍くん、2人と練習してなかったのによ」
私の言葉を遮るように日向くんと龍くんが奇声を上げて飛び回る。
えっ、怖。
言葉を発しようとするとだんだん酷くなる奇行に私は耐え切られず、その場を離れた。
あの反応、絶対悪いことしてる。
しかも皆にバレないように＝澤村くん言えないことだ。
「あーあ！龍くんわ」
「うがあああああああ！！！！」
「わああああああああ！！！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くゎじゅ | 作成日時：2021年9月9日 1時
