【d!】はじめてはあげられませんっ！

プレゼントと祝いと呪い ページ3

一通り笑い転げたあと、兄さんは谷底にある小屋に私を案内して興味津々に城下のことや世界の現状、そしてなぜか私のことなどを聞いてきた。彼は神だが、噂通りやばい力を持つこの渓谷の守り主として任命されてしまったようで、あまりここから出られないそうだ。まじ生前なにやらかしたらこんな魔窟に縛られるんだ


｢ふぅん、今地上はそんなことになってるんやな｣
｢満足いただけたでしようか｣
｢とりあえず敬語外そうな、あと俺腐っても神やから君の考え読めてるからな？｣
｢ひぇっ……｣


なんだかんだいろいろ話をしてるうちに私と兄さんは仲良くなった。いやぁ神と友人になるなんて何かあるか分からんね人生。


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｢そういや話きいてる限り、Aはびっくりするくらい普通で恋愛面の発展もないんやな｣
｢取り消せよ…その言葉をよぉ……！！！｣
｢まぁそんな日々も今日で終わりやけどな｣


お腹がすいたのでパンを食べながら2人で雑談していると、思い出したかのようにそう呟く兄さん。なんやこいつと思い首をかしげていると、急に出てきた光の玉が私の周りを一周し胸の中に入ってきた。


｢えっ、なん、なんすか！？身体にとくに異変は無さそうだけど……｣
｢Aに渓谷から1つの祝いと1つの呪いが付与されただけや。折角ならその岩盤、盛り上がらせてくれたらよかったのにな。｣
｢祝いはいいけど何、呪い？は？？てか待てだれの胸が絶壁だって！？表に出ろぉ！！！｣
｢渓谷に落ちて生き残った者は強制付与やから諦めてくれ。命より大切なもんはないやろ？とりあえず説明していくで。

1つ目はまぁ納得行く祝いやな。渓谷で無事生き残ったっていう印が右耳の裏についてるわ。これで注目されること間違いないな。

2つ目は呪いや。ええかよく聞け？


お前の好きな相手に処女を捧げると、相手の願いが叶う。


以上やな。｣


……なんや2つ目こるぁ。聞いたことはある。うちの国では有名な話だ。でも古き良き伝承だと思って生きてきたというのにまさか当事者になるなんて。思ってもなかった衝撃事実に軽く目眩がしたのは気の所為ではないだろう。

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