【d!】はじめてはあげられませんっ！

笑顔の応酬 ページ30

諦めて扉を開けるとそこには長机に肘をつけた御三方がいらっしゃった。絶賛テンション高い私は見てくる彼らに満面の笑みで一回転してやる。するとどうだろう、彼らの顔から表情がストンと消え去ったでは無いか！なんでや…。


｢あぁー、紫ですよチーノさん｣
｢いやぁオレンジちゃうのが残念ですねぇ〜。どうですかオスマンさん｣
｢マーメードラインのドレスは身体のラインがばっちりですからありだと思われますね、ただ胸が…ね？｣
｢おいそこのJK動くなその根性叩きのめしてやんよバカぁあぁああ！！｣
｢おうおうこいよ揉んでデカくしてやんよ｣


こいつらこんなにかわいくなったのに(当社比)！！セクハラしかない！！なんだ揉むって。こっちは悲しいが報告しておくと揉むための肉さえこちらにはないぞ。私が頬を膨らませていると鬱先生が口を開いた。


｢えーそれでは皆様御手元のホワイトボードの方にですね、点数の記載をお願いします。｣
｢え、点数までつけるんすか先生｣
｢書けましたでしょうかー？？｣
｢おいおいおいほんと話聞いてくれないよねえ君！？｣


鬱先生にだけ当たりが強い？ｷﾉｾｲﾀﾞﾖ！！まぁ口ではあれだけ言ってても点数にしたら完璧満点のはずであろう。フラグ？気にするな気にしたら負けなことっていっぱいあるじゃん！ほら、今とか！？


｢点数の発表…wいきます……ww｣
｢ねぇ｣
｢えー私が2点、チーノさん2点、オスマンさん2点ということでねwwふっ……www｣
｢ねぇそれはなくない！？ねぇ鬱先生ってば！！｣


悲しみを抱え助けを求めてメイドさんの方を見るとずいぶん怒った表情で幹部の皆様に冷ややかな目線をおくってらした。やっぱそうだよね、おかしいよね！？
3人に対して抗議の意を唱えていると廊下からショッピさんがいらっしゃった。


｢鬱先生インカム…。会議始まりますよ御三方。ってあれ、Aさん俺色のドレスじゃないですか。いいっすね｣


そう言い私に近づき手を取り自身の唇を甲に押し当ててきた。衝撃で顔に熱が集まっていく。慌てて手を解き赤面する顔を隠すが笑みを浮かべたショッピさんにより腕を拘束される。顔さえ隠せずどうしようも無く困った末に顔を見ていると耳元に寄ってきた。


｢かーわい｣
｢な…っ！？｣


餌を求める金魚のように口をパクパクさせる私。いつの間にか離れてた彼は囃し立てる3人をズルズルと引きずり｢じゃあの｣とだけ残し消えていった。

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