【d!】はじめてはあげられませんっ！

社畜よ休め ページ28

時は過ぎ去るのははやいもんだね！捻挫した日からはや数日。総統に雇ってくれ！と言いに行き(予言通り無事振られた)、週に一回だけ許された仕事もばっちり(今回はゾムさんは仕事でいなかったので食害はなかった)こなし、暇すぎてメイドさんが掃除してる横で雑談したり(もちろん手伝わされる)、私が来賓という事実を忘却の彼方へ飛ばした兵士の皆さんと事務というか雑用をしたり(半分以上は城の中をまわる所謂パシリである)私は割と城の中での生活に適応し始めた。適応能力万歳！
ここ最近は幹部の皆さんはほぼ休み無しで馬車馬の如く働き倒してるので殆どと言っていいほど喋らない。強いてあげるならお散歩してるとすれ違ったチーノさんに｢今なら食害されても休めるなら本望や…｣という半分以上独り言をもたれかかりながら言われたくらいだろうか。まぁゾムさんも仕事に追われてるぽいから食害もないですねと返しつつ貼り付いてきたチーノさんをベリベリと剥がすとムスッとした顔でほっぺをつままれた。おかしい、怒られることはしてないはずだ！

さて、なぜ幹部の皆さんはこんなにも忙しそうにしているのか。まぁもちろんこの国の幹部だからというのもあるが、隣国との不戦条約の履行期間が切れるのでそれの再締結と改訂に追われているらしい。よくわかんないってことがわかったね！うん！
どうやらそれと同時に向こうの国でパーティにもお呼ばれもしてるらしく、その話を振った瞬間のショッピさんの顔ったらもうほんと、ごめんやん悪気はなかったんや…。私？？私は勿論ただの来賓ですのでお留守番ですよ？？


｢ということでAちゃん、ドレス選ぼうか！｣
｢ななななな、なんすかね！？！？｣


優雅に部屋で読書という名の漫画を読んでいるといつも通りノックがなく扉がｽﾊﾟｰﾝｯ！と開き、そこには目の下に薄く隈を貼り付けたまま笑うチーノさんが居た。寝てクレメンス…寝てクレメンス…！
ズカズカと長い足がこちらに向かってきて手を繋がれる。そしてそのままよくわからない方向へ連れていかれる。慣れてしまったけど！言うてくれ色々！！

おいそこの今すれ違った兵士、毎朝ご飯取る時雑談してるお前や、今日の朝コネシマさんから鮭定食むりやり取らされてたお前や！！笑うなぁ！！さてはお前助けなかった朝の仕返しだと言うのかぁ！？！？
皆私を見て苦笑、嘲笑、失笑はするものの誰も助けてくれず、私はあたかもリードを引かれる犬の如くずるずると連れられていったのだった。

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