十七時間目 ページ21
3年前、テニスを始めて最初の大会、新人戦。
とうの私は1回戦で負けてしまい、ひとり寂しく試合場を見て回っていたのである。
ふと、たまたま目にしていた男子のコート。
風が伝わってきそうなほどの勢いのある、ボールが風を切る音が、突然人々のざわめきに変わった。
オーディエンスの視線の先には、ラケットを放り投げてうずくまる選手がいた。
今見た私でもわかる、足をくじいたんだ！
なんで誰も助ける素振りを見せないの！？
あの男子の学校の人たちはいまどうしてる！？
考えるより先に身体が動いてた。
比較的近くにあった私の学校のスペースに走って、救急箱を掴む。
私は途中転けそうになりながら、必要以上に重い救急箱を前に突き出してコートに乱入した。
「大丈夫ですか！？捻挫っ！？」
うずくまっていた男子は驚いた顔をして立ち上がろうとする。
「＿＿ってェ……！！」
「立たないで！？痛いんでしょ、足首ですか！？」
「…………！おう」
手当ての仕方なんてわからなかったから、コールドスプレーを吹き付けて、テーピングをぐるぐる巻くだけにしてしまった。
「これで大丈夫かなぁ……！？なんか、必要なものとかありますか！？」
「……………いや、大丈夫。
ありがとな、あー…………」
「"A、A"です！あ、○○校！
勝手にいろいろしちゃってすみませんでした…！」
「や、助かった。
…………審判、続きオナシャス」
「な、君……その脚で出来るのか………？」
「余裕です」
な、生意気……………！！
とか思ったら、足の怪我の素振りなんて見せないようなプレーをし出した。
スゴ腕なんだなぁ……とか思ってたらフッと我に返った。
冷静になってから、私はとんでもないお節介をしたんじゃないか、いやしたんだなという実感が湧いてきた。
恥ずかし〜〜〜〜なにやってんだろ！！！
観客に顔を見せないよう、そそくさと人混みを掻き分けて学校のスペースに戻って行った。
………………………その私が助けた男子は、その日優勝していたらしい。
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PH(プロフ) - 朱まぐさん» ひゃーーー読んでいただいてめためた嬉しいです……！！碧人はバリバリ優等生なので、確かにお友達に欲しいですね〜！！これからも更新頑張ってゆきます〜！ (2022年10月8日 23時) (
レス) id: 670284ea05 (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。お話面白かったです！碧人君みたいな友達欲しいなって思いました！笑タイトルもどのように回収されるのか気になります。無理せず作者様のペースで頑張ってください☺︎ (2022年10月1日 22時) (レス) id: d13cf71823 (このIDを非表示/違反報告)
PH(プロフ) - 桜とおもちさん» ウワーーー読んでいただいてうれしい限りです……！！感謝です〜！！ (2022年8月12日 22時) (レス) id: 665b8955cb (このIDを非表示/違反報告)
桜とおもち(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！ ぶんしょうがけっこうたんたんとしていて、よみやすかったです！ 右星失礼します！ (2022年8月11日 6時) (レス) @page5 id: acf700690e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：PH | 作成日時：2022年8月1日 2時
