3 ページ32
式場のおすすめのプランなんかを聞こうとラウンジに移動して、
お手洗いに行ってくる！と
少し席を立ったAがなかなか帰って来ない。
出されたコーヒーを飲んで大人しく待っていたけど、
このカップの中身もそろそろなくなる。
飲みきってちょっと探しに行くか、と立ち上がると、
奥のエレベーター付近が何か騒がしい。
しかもこの声には聞き覚えがあった。
まさか…
「やっぱり噂は本当だったんじゃない！
先生に色目とか使ってたんでしょ！！」
『っ、』
北「A！！」
Aがあの子に激しく責め立てられて、
彼氏やスタッフさんが割って入ろうとしてはいるけど、
服やら髪やら乱暴にひっ掴まれていた。
北「やめろって！」
慌てて間に入って自分の後ろに隠す。
それが更に気に入らないのか、
彼女は俺をちらっと見上げた後
後ろにいるAを覗き込むようにしてまた暴言を投げ掛けてて。
北「やめて。手を出したのは俺の方だから、それは俺に言って。」
「っ…、」
仲裁しようとしてくれてたスタッフさんにすみませんでしたと頭を下げて、
Aの手を引いてすぐ式場を出た。
『…素敵なところだったのにごめんなさい。』
北「なんでお前が謝るんだよ。」
大きな通りから一本だけ住宅街の方に入って、
乱れてしまった髪を整えてると、
向かい合った姿勢で、Aはこつんと俺の胸に頭をもたれた。
『庇ってもらって…ごめん。』
北「庇ってない。事実だから。」
自分に掛かってくる火の粉なんか気にならない。
Aにきてしまうかもしれない非難は守ってやれる気でいた。
だけど今回、ほんの少し離れた間にAは傷付いていて。
その相手は高校のときの友人、俺の教え子だった…
あの子がショックを受けるのだって当然のことだ。
自分が慕っていた教師が自分の友人と付き合っている。
経緯がどうあれ、そんな事実は受け入れ難いというのが普通の神経だと思う。
北「…ちゃんと守ってやれなくてごめんな。」
間違いなく俺はAのことを何よりも大切に思ってる。
恋人として、婚約者として。
だけど、同じ教え子という立場で彼女が並んだとき
俺は二人への愛情に差をつけることはできなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 583人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綾鷹(プロフ) - そあさん» ご感想ありがとうございますー！また番外編3の方でちゃんとご挨拶致しますが、きっとすぐ戻ってきてしまうので、そのときはまたぜひ遊びにきて頂けると嬉しいです！お優しいお言葉本当にありがとうございます。。。>< (2019年2月8日 21時) (
レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
そあ - リクエストのお話とてもきゅんきゅんしました♪ありがとうございました！休止という文字をみて、とても残念なのですが綾鷹さんのペースで戻ってきてください！ (2019年2月8日 18時) (レス) id: 6d84923983 (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - 心愛さん» かしこまりました！ご理解ありがとうございます。。。もちろんです、そのときはまたぜひお願いします！ (2019年2月7日 4時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - それではプロポーズとXmasのお話をお願いします。また受付を開始したらリクエストしても大丈夫ですか？ (2019年2月6日 22時) (レス) id: 438de2be2d (このIDを非表示/違反報告)
綾鷹(プロフ) - リリーさん» 最近樹くんのお話を書けていなかったですねΣかしこまりました、どんなお話にいたしましょう？！ (2019年2月6日 20時) (レス) id: f953e13246 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾鷹
| 作成日時：2019年1月28日 18時
