君のために 【怪奇ゾーングラビティフォールズ】【短編集】

癒してくれる　スース ページ5

「やあ、調子はどうだい？」


『どしゃ降りで最悪って感じ、スースはどう？』


「んー……俺は雨も好きかな」


隣にいるのはスース、私はウェンディやスースと同じこのミステリーハウスで働いてる。
楽しい夏休みとはいえ、迫り来る新学期までの日を雨で奪われるなんて今日はついてない。

スースは優しくて、人の意見をあまり否定しない。否定するとしてもやんわりだ
そんなこともあってか、良き相談相手でもあるし、癒しの存在でもある


『雨も好きなんだ…どんなところが？』


スースと話すのはとても楽しい…


「雨上がりには、虹が出ることかな。」


『虹かぁ、それは私も好きだな〜』


可愛らしいことを言うスースに、雨に対してのイラつきが少し薄まってきた


『そう考えると雨もそこまで悪くないかもね。』


「だろ？」


スースが満足げに笑う。


虹か……虹と言えばメイベルだな、いつも虹とかユニコーンとか素敵なセーター着てたっけ。


そういえば、今日はあの双子を見ていない気がする…



『スース、メイベルとディッパーってどこにいるの？』


「んっ？あの二人なら森に行ったよ、朝楽しそうにね。行きたかったのかい？」


『ううん、こんな天気だから大丈夫かなって…』


二人とは年が近いけど、あの二人の追求心といったら小さな子供みたいで目が離せない
昨日はメイベルが、シリアルのオマケの“魔法のフィギア„(もちろん嘘だが)が入ってない事に気付き、何を思ったのかみんなの食べかけのシリアルを１つずつ引っくり返して探した程だ


「あの二人なら大丈夫だよ、ここで待っていよう。」

『そうだね、』


その言葉に、私はすごく安心できる

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