地味メン

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『キムさんは強いですね』






柵に寄りかかったジョングクくん。







様になりすぎてる。








『キムさん？』








私は黙ってジョングクくんのメガネを取った。









「やっぱり…」






かっこいい。



こんなにくりくりな目を隠すなんてもったいない。







「コンタクト、したら？」





『卒業したらそうします。』







頑なに断る理由はやはり妹さんだろう。









「ジョングクくん、私ね」








やっぱり友達になりたいな、なんて。







「ジョングクくんと戦いたいの」






策略でも、騙してる訳でもなんでもない。





純粋に私は、ジョングクくんと話がしたい。









『…高いですよ？』





「え」






真に受けすぎです、なんて笑うジョングクくん。








少しは彼の心に触れることができたのかな。









『キムさんは兄弟いないんですか？』






「Aでいいよ。お兄ちゃんがいる。」









名前呼びで良いとは言ったもののなぜか緊張。









『A…さん？』






どこかぎこちないジョングクくん。





なかなかの破壊力。







嘘でしょ？




ありふれた名前なのにすごく特別に感じる。









『照れないでくださいよ』






「あ、や…ごめん」









変な私。





顔を手でパタパタ仰いでいると






ジョングクくんのスマホが震えた。








『ちょっとすみません』







後ろを向いて耳に当てる。





彼女かな、なんて考える。









“ テヒョニヒョンが？ ”



“ はい、ジミニヒョンなら良いですけど ”









…頭が追い付かない。




私が知ってる、テヒョン先輩とテヒョニヒョンが



同一人で、





ジミン先輩がジミニヒョンが同一人物なら…







めちゃくちゃ豪華だぞ？







そんなことある？



しかも結構親しそうだったよ！？









『ヒョン達来るみたいですけど良いですか？』





「お、おまかせします」








電話を切ったジョングクくんが私を見て驚いた







『ヒョン達来るって言うと大体の女の人は

　メイク直したりしてましたけどしないんですか？』






それは遠回しに見苦しいから直せってこと？笑







『あ、いや直せって訳じゃなくて

　飾らない人、素敵だなって』






嬉しすぎてはげそう。

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