地味メン

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あのまま話しかけることはできず、



モヤモヤした気持ちのまま放課後に。









目立つ女の子から、カラオケに誘われたけど



ただのお金を払い人になるのが嫌で断った。









教室に残ったのは私と…ジョングクくん。







昨日と同じ空間のはずなのに取り巻く空気は重い









「…あの、」






『僕に関わらないほうがいいですよ』







本当に、冷たい。




もう一度、クスッと笑う彼が見たい。








「私、何かした…かな」





心当たりがありすぎて怖い。





最初は女の子達と一緒になって笑ってたし



いじめをとめることもできなかった。









『…やった方は覚えてないし覚えようともしません

　でも、やられた方は嫌でも忘れられません』









やっぱり、…止めなかったからだ。






いじめは見ている人も


加害者になると誰かが言っていた。









「ごめんなさい」








止められなくて、



いじめて、



自分がいじめられたら頼りにして、



「本当にごめんなさい」









椅子が床と擦れる音。




立ち上がる彼。









『それも、あの人たちに言えって言われましたか』









「…え」







あの人たち、とは多分女の子達のことだろうけど





気になったのは、 “ それも ”







何を示すのか、私には分からなかった。









『朝から教室でクラスメートの悪口なんて

　ずいぶん大胆なことするんですね』









朝 ＿ 。






もしかして、聞かれてた … ？









反論しようとしたけど結局してないじゃない。









『帰りますね』






今の私に彼を引き留める権利は無い。









私はもう、彼の中で “ 敵 ” になっていた。

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