地味メン

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( JKside )









具合悪かったなら、そう言ってくれれば良かったのに




そう思って、気づいた。





言わなかったのではなく、言えなかったんだと。






いじめられてるんだもんな、俺を庇ったせいで



誰かを信用しろって言う方が難しいのかも知れない。









使えない担任が抑揚のない声で




キムAは保健室へ行ったと言った。








そのまま昼休みまで帰ってこなくて





迎えに行ってノックしようとすると









元気な、女の子の笑い声がした




Aさん、なのか？





控えめにノックをすると



笑い声は止まって




ウジ先生のどうぞ、という声に続いてドアを開ける。









Aさんだった。





彼女の視線が僕の手元のお弁当箱を捉えた。









「あ、ごめんなさい、今行きます」





『あ、ゆっくりで大丈夫だから』









ウジ先生からの視線が痛い。





挑発的な目を見ることができなくて






保健室を見回しながら彼女を待った。








「お、お待たせしました」






ピンクのバンダナに包まれているであろうお弁当箱は





1段で、足りるのかな 思わせるには充分だった。









廊下を2人で…といっても









Aさんの希望で横並びには歩かない。





2mほど間隔が空いている。








振り返ると、彼女も止まる。





前を歩いて欲しい と言うと





背を向けるなんてできない と断られた。









2人なのに実質1人で歩く廊下は









いつもより長く感じる。









その長さはまるで僕たちが共有しきれていない



心のようだった。

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