地味メン

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( JKside )





『おはよう』





朝の挨拶だけで肩を上げて振り向く彼女。







そうだ、彼女は怯えているんだった。






少なくとも僕を救ったことを後悔するくらいには。









「あ…えと、おはよう」






何拍か置いて返ってきた挨拶に






なんだか心がシャキッとして







これが本来の挨拶の意味なのかな、とも思った。









『今日お昼大丈夫？』








「大丈夫だよ、…うん。大丈夫」








僕の質問に答えているのに








まるで自分に言い聞かせるみたいに話すAさん。









怖い、のかな。









『良かった、ヒョン達も会いたがってた』







カトクで誘った報告をするとそれはもう





莫大な量のメッセージが届く。




それに返していて昨日寝たのは2時。









僕だって、2人がいい。







空いてしまった距離を少しでも詰めたい。









ただそれには時間が必要だから









ゆっくり、ゆっくり彼女と接しよう。









「…あの、お願いがあって」







か細く、伝えてくるAさんに耳を傾ける。









「…移動は別でお願いします」








一語一句聞き逃さないよう耳を傾ける中









心の中で絶句した。









…別がいい。






か細い声なのに一切の迷いもないその願いと眼差しに









『分かった』







僕は頷くことしかできなかった。









Aさんと僕の間にはやっぱり壁があるみたい。

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