作間と恵花 ページ13
.
黎「作間ってさ、Aのこと本当に好きだよね」
黎ちゃんのそんな一言からそういえば、と思う。
ーーーーーーーーーー
龍は入所当初から出来る子の分類で同期のJr達の中では頭一つ分抜けていた。だからか、出来ない子に属する子達が好きじゃなかったみたいでそういう子達には睨みを利かせていた。
そんな事があったからか、龍を囲む環境は少しギスギスしててあの子は一人でいる事が多かった。
『作間くん？一緒に練習しない？』
同期から少し離れて練習する彼に声を掛けたのがきっとこの関係の始まり。
黎「A、その子、誰…？」
『え？…って、作間くん？どうしたの？』
龍「…また、ダンス教えてほしいなって思って」
黎ちゃんに言われなかったら気づかなかった龍の存在。
勿論、と黎ちゃんと一緒に教えてたけど何故か、
龍「…」
黎「なんか俺すげえ作間くんに見られてる」
『作間くん？』
龍「矢花くん！Aちゃん取らないでください！」
黎「えぇ…なにこの状況…」
と、敵対心剥き出し。
それからというもの、龍は私の後ろをちょこまかとついて歩く日が増えた。
黎ちゃんを瞳に捉えれば番犬みたいに威嚇するから困ったものだったけど、初めて私を慕ってくれた後輩だったから、悪い気はしなかったし何よりも嬉しかった。
龍「俺のこと、下の名前で呼んでほしいです！」
なんて、黎ちゃんに対抗した日は苦笑いがこぼれたけどその数ヶ月後、猪狩が入所して他にも心を許せる相手ができたのか私にひっついている日は減った。
ーーーーーーーーーー
あれから年数は経ったけど私を見つけたあとの行動は何一つ変わらなくて。
龍「Aちゃん！またバナさんと一緒にいる！」
黎「ちょ…もー、別に作間からAの事取らないって」
龍「Aちゃんは俺のですから、あげませんよ」
私を見つけては突進してきて、黎ちゃんがいれば彼に牙を剥く。
そんな彼に最初はタジタジだった黎ちゃんも、今じゃあしらうのもお手の物。
たまーに、手が掛かりすぎて私も彼も苦笑い。
本当に困った最年少。
けど、
龍「Aちゃん」
『なーに、龍』
私だけが呼ぶ彼のあだ名に微笑むのを見ちゃったら、どうでもよくなるね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 458人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「紅一点」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翡翠(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます。現実に追いつくにはまだまだ先は長いですが、暖かく見守っていただけますと幸いです。美紀様もウイルスにはお気をつけください。温かいお言葉ありがとうございます、身に染みました。これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (2020年5月21日 22時) (
レス) id: 2604510154 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 瑞稀君と涼君と優斗君寄りのオール寄りのオール担当です最高です更新大変だと思いますが頑張ってください応援してますコロナウイルス流行ってるので気を付けてくださいね (2020年5月17日 15時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翡翠 | 作成日時：2020年5月16日 18時
