真夏の少年 ２

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秘密基地を出た悟とAは会話もなく歩き続けていた。

悟｢あ、あのさ…用事ってなんだっけ？俺また何か忘れてる？｣

見かねた悟がAに声をかけた。

『いきなり引っ張ってきてごめんね？』

悟｢いや…｣

『沙織に謝った？』

悟｢あ……まだ、でも絶対謝るから！｣

『…そっか

あの…さ、聞きたいことがあるんだけど…』

Aの脳裏を過ぎるのは以前沙織に言われた言葉。

『悟くんは……』

真っ直ぐ悟の顔を見るA。

『悟くんは、私の事好き？』

2人の間に風が吹き抜ける。

悟｢え…、えぇ！？｣

突然の発言に戸惑う悟。

『…』

悟｢お、俺は…｣

Aの顔を見てゴクッと唾を飲み込んだ悟。

悟｢俺は…っAの事…｣

悟が意をけして言おうとした瞬間。
上から声が聞こえてきた。

三平｢流されたのは…自分やないの？｣

沙織｢…そうよっ｣

聞こえてきた声の正体は三平と沙織だ。

悟｢え…なんで三平さんと沙織が？｣

『しーっ』

悟の少し大きな声に気づかれるのを回避するためにAは悟に声を控えるように伝える。


沙織｢チヤホヤされて、いい気になって…っ

何となくウケそうになる言葉並べるようになって！

尖るって何っ！？刺さるって何！？｣

沙織の声はとても苦しそうだった。

沙織｢ホントの私なんて…もうどこにもいないっっ！｣

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