私、自分嫌いなんで５【俺のスカート、どこ行った？】

君澤の過去 ページ45

次の日、私と母親は一切会話しなかった。

なんか学校に行く気になれなくて、休んだ。
そんな時、光岡からメールが来た。

原田がここに来いと言われた場所を地図で添付してきた。
不思議に思いながらもそこに行くと、何故か明智と明智の父親がボクシングをしていた。

明智はただ父親に殴られ続けていた。
東条が｢なんで殴り返さないんだよ｣と聞くも明智は弱々しい声で｢あいつと一緒になる｣と言ったんだ。
私の頭の中には明智が苦しんできた過去の光景が巡った。
明智が不意打ちで殴られリングに倒れ込む。そこに皆は駆け寄るも、私はその場に行くことが出来なかった。

原田が父親を殴り明智の前に行き話をする。
いきなり自分を殴れと言い明智も泣きそうな顔で原田を殴り続けた。

もし、私も……もう少し早くに原田と出会っていれば…、こんな気持ちにならなくて済んだのに。

明智が皆にど上げされる光景を見て『私はこの中に入れない』と思った。

明智が、私に謝った時も…秀一って呼べる関係に戻れたのに…心のどこかでは昔に戻れなかった。

これ以上、ここにいたら…皆と一緒にいたら今の自分から逃げたくなるって思って、必死に笑った。

だから、決めたんだ。
文化祭…。そこまでが私が私でいられる限界だと。

私の大切な人達が笑顔で笑っていられる場所を目に焼き付けて置くために。

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