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父親「俺にも奮って見ろよ秀一!そいつにも出来たなら…俺にもできるだろ?」
父親の、言葉を聞いて君澤は静かに拳を握った。
明智「なぁ…」
原田「なに?」
明智「俺殴れないわ…殴ったらさ、ほんとにアイツと一緒になっちゃうんじゃねぇの?だから…あれだわ……ごめん。俺負けるわこれ…殴ってアイツと一緒になるとか…無理…。あぁ…俺が殴られてる時の気持ちだったんだって…思うからさ…」
いつもとは違う明智の、姿にみんなはただ見つめる。
明智「あいつに言われて…すっげぇ反省してるわ…今」
そしてゆっくり若林の方を向き、少し涙を溜めながらこう言った…。
明智「…ごめんな?若林…っ…ごめんっ。すっげぇ…辛かったよなっ?ごめん…っ」
若林は弱々しく謝る明智を見て何も言えなかった。その時田中は明智に言い放つ。
田中「後ろっ!」
明智が後ろを振り向くと不意打ちで襲いかかって来る父親が。
父親のパンチをモロにくらってしまった。目の前で殴られた明智の姿に驚く若林。
ぐったりとした明智を引っ張り最後のトドメを指すかのように顔面にヒットした。
明智は、リングの上に転がりそのまま動かなくなった。
生徒達も明智に駆け寄り声をかけた。
父親「一緒だよ!一緒!息子だからな!」
父親はそう言い残し、目を開けない明智に唾を吐いた。
父親「はい俺の勝ち!学校を辞めさせる、俺に金を渡す!」
若林は唾を吐かれた明智に近寄りブレザーの袖で明智の頬を拭いた。
父親「汚ねぇ〜なんで服の袖で拭いてんの?」
東条もリングに、上がり父親を睨む。
父親「なんだ?」
原田「はいっ!引き分けっ!」
そんなふたりのあいだに原田が仲裁に入る。
父親「何言ってんの!俺の勝ちでしょ!」
原田「レフリーはあたしなんだから、レフリーが言うことは絶対!」
父親「なんだよそれ!最初からズルする気だろ!」
原田「ズル?実際はこの子の勝ちなんだよ、それを引き分けにしてあげてんの…あんた救われてんだよ?」
父親「俺の勝ちだろ!どう考えても!ズルするんだったら引き分けじゃなくてこいつの勝ちにすればいいんじゃないの?」
原田「この子が勝ったら…もう戦えないじゃない?」
父親「は?」
原田「あんたと…あたしが…」
田中「先生!?」
原田「2回戦…かかってこいよ!ド三流親父!」
原田は自分のウィッグを外した。
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なえ - ぱみさん» ありがとうございます! いつも読んでいます! (2019年6月15日 23時) (レス) id: a62a058a8d (このIDを非表示/違反報告)
ぱみ(プロフ) - なえ さん» コメントありがとうございます。いえいえ大丈夫ですよ!お気になさらずに!大好きと言って頂けるだけで嬉しいです (2019年6月13日 20時) (レス) id: 34ee2ee9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱみ(プロフ) - タピオカさん» コメントありがとうございます!ぜひぜひよろしくお願いします! (2019年6月13日 20時) (レス) id: 34ee2ee9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱみ(プロフ) - うみこさん» 作者もオチについてはまだ悩んでおりましたので、貴重なご意見ありがとうございます! (2019年6月13日 20時) (レス) id: 34ee2ee9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱみ(プロフ) - もなこさん» リクエストありがとうございます!お時間ある時に書きますね! (2019年6月13日 20時) (レス) id: 34ee2ee9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱみ | 作成日時:2019年6月1日 23時