21 ページ44
川沿いを歩く東条と若林。2人の間にはまだ距離がある。
東条｢なぁ！｣
東条は前を歩く若林に声をかける
前と同じように若林は、振り返らない。
東条｢なぁって…｣
若林｢…なに？｣
ようやく若林が足を止めて東条の方を振り返る。東条はポケットから両手を出すと軽く握った。
東条｢謝ろうと思って…｣
東条の、言葉に少し驚く若林。
東条｢謝っても……許して貰えないかもだけど…｣
若林｢なんで……｣
東条｢なんか……本当に悪いとは思ってて…許して貰えないのは…仕方ないのかもしれないけど…｣
若林は東条から視線を逸らす。
東条｢ごめんっ！｣
東条は若林に向かって大きく頭を下げた。
若林からも返事はない。東条は顔を上げて若林を見た。
東条｢許せないよな…｣
今度は地面に正座をして、土下座をした。
東条｢ごめんっ！｣
東条の行動に若林も少し戸惑う。
そして、東条も少しずつ顔を上げてもう一度地面に頭を打ち付けようとした。…あの時の原田のように。それを察した若林がすぐさま止める。
若林｢ストップストップストップっっ！いいよ……｣
若林の言葉に東条は顔を上げた。
若林｢いいよ…許すっ……俺あんな工場長みたいな大人になりたくないから…頭を打ち付けなくても…全然いいよ……全然は…ちょっと盛ったけど…｣
東条は、地面に正座をしたまま若林を見上げる。
若林｢それだけ…じゃあ…｣
若林が帰ろうとすると東条が立ち上がり若林に声をかける。
東条｢待てよ！｣
東条の声に若林がもう一度止まり振り返る。
東条｢同じ方向なんだから、じゃあ…はないだろ｣
若林｢なんだよ｣
東条｢帰ろうぜ…｣
東条の言葉に若林は頷いた。東条も微笑んで若林の隣へ駆け寄る。
東条｢今日は何すんの？｣
若林｢なんもしない｣
東条｢じゃあ…俺タピろうかな…お前も行く？｣
若林｢うん、行く行く｣
2人の距離は縮まり、話しながら帰って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神楽 - あと。小説面白いです！更新頑張ってください！ (2019年5月29日 22時) (
レス) id: 9a87ed0901 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - いえいえ。呆れられたのかと思って心配しましたw戻ってきてくれてありがとうございます！ (2019年5月29日 22時) (レス) id: 9a87ed0901 (このIDを非表示/違反報告)
ぱみ(プロフ) - 神楽さん» ご心配をおかけしてすみませんでした泣 (2019年5月26日 0時) (レス) id: 34ee2ee9d5 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - それにしても。専門学生ってすごい！ (2019年5月25日 18時) (レス) id: 9a87ed0901 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - ぱみさん最近喋らないなぁって思ったら、そういうことだったんですね！ (2019年5月25日 18時) (レス) id: 9a87ed0901 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱみ | 作成日時：2019年5月4日 23時
