私、自分嫌いなんで【俺のスカート、どこ行った？】

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駒井｢明智っ！これやって｣

そう言って近づいてきた駒井の差し出した手には｢さすって｣と書かれた文字

｢え、なに？さすってって書いてある…｣

明智は言われるがままに駒井の手をさすり始める

｢そうそうっ！いい感じっ！｣

今度は両手でさすり始める。

明智｢なんだよっ｣

さする手を早めると手の甲を下に向け指を握りこんだ手のひらを上に向ける

そして、その手を思いっきり開いた………


まるでスローモーションのように……小さな固形物が明智目掛けて飛び散る。

斜め後ろで様子を見ていた君澤の机にも飛び散った。

明智はその勢いで椅子から滑り落ち後ろへ飛ばされる。
一瞬で空気が冷たくなる。

明智の感情が読み取れない。

クラスは何も感じずに騒ぎ始める。

東条ですら、笑いながらクラスに溶け込んでいるのだ。

すると……明智は、駒井の胸ぐらを掴み

明智｢おいゴラァっっっ！！！｣

空気が一瞬にして変わる。明智の怒号がシーンとした教室に響き渡る。

君澤『………』

みんなの視線は明智に集まる。
騒いでいた人も、廊下を通った人も、本を読んでいた人ですら

そんな空気を打ち消すのもまた明智だ。

ふと笑みを浮かべ

明智｢ふっ…冗談だよ〜んっ｣

ネクタイを頭に擦り付け、笑みをこぼす。

その瞬間クラスにさっきまでの温かさが戻る。

｢びびった〜｣

｢めっちゃびびった〜｣

明智｢仕返しだよ、仕返しっ｣

そう言いながら席に戻ろうとする明智を見つめる若林はマスク越しに何を思うのか…。

明智もそんな若林の視線に気づき見返すと、若林は急いで視線を逸らした。

明智｢これ何のゲーム？｣

そして何事もなかったかのように友達に聞くのだ。

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