【MHA】RE:SET【男主】 (ページ35)

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34回目ページ35

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切島くんの言葉に、少しホッとした様子を見せるくせっ毛くんとセンター分けくん

心の重荷が少し取れたからか、二人は堰を切ったように話しだした

「でもよ、こんなことカツキの前じゃ言えねえけど、トーナメントも燃えたよなー！あの氷のヤツとのバトル！」

「あの緑谷がガチの殴り合いなんてなー！けっこうサマになっててよー」

「そうそう、一発返した時は思わず、おー！なんて言っちまった」

「惜しかったよなー、緑谷！もしかしたら決勝行って、カツキといい勝負でもしてたんじゃね！？」

「……デクがなんだって？」

その声にハッと振り返る切島くんたち

そこにはコーラ片手に、怒りに顔をひくつかせている爆豪がいた

ビキビキと目が吊り上がっていく

爆豪くん、顔すごいことになってるよ

「デクがサマになっただぁ……？寝言は寝て言え！！！！おめーらの目は節穴か！！！、その穴ん中でキレイな大爆破見せてやるよ！！！！」

「爆豪、落ち着けって！」

「うるせえ、！クソどもが！！！」

いや、どっちかと言うと爆豪くんのがうるさいよ

「緑谷のこととなると……あああっ、やっぱ変わってねえ～！」

「デクの名前出すんじゃねぇ！！！」

「カツキ、やめろってぇっ」

つかみかかる爆豪くんから逃れようとするセンター分けくんとくせっ毛くん

押さえようとする切島くんの間でテーブルが揺れ、置いていたグラスが倒れて床に落ち割れた

爆豪くんの怒りはもはや喧嘩の範疇に収まらず、他の客も何事かと注目してくる

「ぅわっ……」

楪の素っ頓狂な声がその場を一瞬静寂させる

よく見ると爆豪が持っていたグラスのコーラが暴れるうちに溢れ、楪にかかってしまったようだ

ポタリと濡れた前髪からコーラが滴り落ちる

「楪、これで拭け！」

テーブルに置いてあったペーパーナフキンを数枚取り出し渡す切島

「…ありがとう」

それを受け取って濡れた髪や額を拭う

「え、あの人かっこよくい…！？」

「イケメンだ…」

「あんなイケメンいるのになんで気づかなかったんだろ…」

普段重めで長い前髪で隠れていた楪の素顔に、切島は数回瞬きを繰り返す

「え、楪だよな…？」

「？そうだけど」

「誰…」

ずっと前に座っていたセンター分けまでも信じられない、そんな目つきで楪を見る

「ベタベタする…」

無表情のまま楪は気に留めない様子で拭い続ける

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