【MHA】RE:SET【男主】 (ページ32)

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31回目ページ32

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爆豪くんなりに教えようという気持ちは感じるから、下手に口出しはしないほうがいいんだろうな

「男らしい教え方だぜ……」

「あぁ？」

眉を寄せる爆豪くんはさらに眉間の皺を深くした

「まさかてめェ…九九を教えろって言ってんじゃねーだろうな……？」

「九九くらいわかるわ！！」

周りの人が人差し指を口の前にして、静かにしろと促す

思わずか今日一番の大声を出した切島くんは恥ずかしそうに顔を赤らめ、そんな様子を見て爆豪くんは愉快そうに笑う

「へっ、だせえ」

「お前が九九とか言うからだろーがっ」

「ふっ…」

そんな二人の会話が面白くて、口元を抑え俯く

「テーブル震えてンだよやめろや」

「ごめ、だって二人面白くて…い"っ」

爆豪くんに脚を踏まれ痛みに机に伏せた

そうしてると軽い足音が近づいてきてるのに気づく

顔を上げれば絵本を抱えた男の子が、つぶらな瞳で爆豪くんを見つめている

「あ？なんだ、このガキ」

迷子か？と心配して声をかける切島くんに男の子は首を振り、爆豪くんを指差す

「ゆーえーたいいくさいでゆーしょーしたのに、しばられてたおにーちゃんだよね？」

「あ？」

どうして？煩かったから？図書館でも煩くするとしばかれちゃう？

子ども特有のなんでなんで質問に、爆豪くんは色々と思い出すことがあったのか

まずい、切島くんと俺が止める間もなく

「うるせえ！！クソガキ！！！！」

図書館に爆豪くんの怒号が響き渡った

怒鳴られたことに男の子の目はうるりと揺れて、顔が歪む

そして今度は嵐のような泣き声が響き渡る

「すっ、すんませんでしたぁー！！」

喧騒に満ちる図書館から切島くんはあわてて逃げるように俺と爆豪くんを連れ出した

図書館から逃れた三人は駅前のファミレスに避難してきた

休日の午後、お昼の混雑ピークは過ぎてはいるが様々な客層で賑わっている

そこかしこでおしゃべりの声がしているため、多少の声には誰も見向きもしない

「うあー、こんぐらい騒がしい方がやっぱ落ち着くなー！な、爆豪！」

「勝手に落ち着いてろや」

今度は切島くんと俺が隣に座り、向かい側に爆豪くんがきた

店員が注文を聞いてきて、切島くんが三人分のドリンクバーを頼む

奢りか確認する爆豪くんに切島すんは思いきりのいい笑顔で答えた

「そのかわり根気よく教えてくれよ！」

「ドリンクバーくらいで根気よくなってられるか、クソが」

「爆豪くんの分、割り勘しよう」

「お、いいな！」

「うん」

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