【MHA】RE:SET【男主】 (ページ28)

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27回目ページ28

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≪IBM散布量超過を感知、電気ショックを行います≫

聞いたこともない機械音

楪くんの着けている腕輪から聞こえ、その場にいた全員が視線を向ける

顔は青ざめていて、凄い量の汗を流し、身体が震えている

明らかに可笑しい楪くんの様子に戸惑いが隠せない

バリリッと身体に稲妻の様な物が走って、楪くんは倒れた

「お、おい！」

「触ったらだめだ！」

すぐに駆け寄り状態を見ようとする砂藤くんに静止の声をかける

電気ショック、さっき機械はそう言っていた

もし人が気絶するくらいの電圧が流れたんだとしたら触るのは危険だ

「上鳴くん、起こして貰えるか」

飯田くんもそれを察して電気へ耐性のある上鳴くんを呼ぶ

「おう！」

幸いにも着替えが済んでいた楪くんを、更衣室から運ぶべく抱きかかえる

「無事か！！」

その時更衣室の扉が開き、相澤先生が現れる

走ってきたのかいつもより髪の毛がボサボサだ

意識のない楪くんを見つけ顔を顰める

「先生、楪くんは一体…」

飯田くんが先生へ質問をする

「…なんだお前ら、楪から話聞いてないのか」

「さっき〝個性〟について少し…」

僕たちの話を聞いて溜息をついた

「まあ自分から話をするタイプじゃないよな」

「今日のHR少し長くなるぞ」

先生はそう言って楪くんを保健室へ連れて行った

帰りのHR、楪くんを除いた全員が揃うと先生は重い口を開けた

「楪の〝個性〟は特殊でな、殺傷能力の高さから雄英で保護観察している。IBMと呼ばれる物質を自身の分身として操るがその姿は俺たちには見えない」

「その〝個性〟を構築する物質を測定する機械を装着し、その数値が危険域に達すると電気ショックを流して意識を失わせる。楪の意識がなくなると〝個性〟も消えるそうだ」

相澤先生の話にクラス一同息を呑む

それと同時に、楪という異質な存在の意味を理解した

通常40人が定員のヒーロー科にいる41人目

他人と距離を取るのは、彼なりの優しさだったのだ

「変わらずクラスメイトとして接してやってくれ」

相澤先生はそう言って話は終わり、いつもより少し静かなクラス

「楪とちゃんと話がしてえ」

切島くんの気持ちに、皆が賛同した

オールマイトとの話がなかったら、僕もその場にいれたのにな

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