【MHA】RE:SET【男主】 (ページ27)

今日:14 hit、昨日:9 hit、合計:16,638 hit

26回目ページ27

'

「………？」

寝てたのか、なんでだ、記憶ない

ギシリと鳴ったベッドを起き上がり、辺りを見渡してここが何処かイマイチわからない

手を数回開いたり閉じたりを繰り返し若干の痺れを感じる

「起きたかい」

白いカーテンを開け覗い来てのはリカバリーガール

あぁ、学校の保健室なのかここ

「そんな物、子どもに着けさせるなんてねえ」

俺の手首に着いている黒いバンドを先生は見つめる

その視線に俺はどうしてここに居るのか察した

迷惑をかけてしまった、情けない

顔を覆い俯く

「電気ショック…発動したんですね」

「そうさねえ、身体は大丈夫かい？」

リカバリーガールはベッドの近くに寄り、俺の顔色や脈拍の確認をする

「若干痺れはありますけど、大丈夫です」

「無理はするんじゃないよ」

「はい」

ベッドから起き上がり、並べられていた上履きを履いて保健室を出る

何故かキャンディーも貰い、コロリと口の中で転がす

うん、甘いな

窓の外を見れば橙色に染まっていて、それなりに時間が経ってしまったようだ

皆もう帰っただろうな

まあクラスメイトがいきなり電気ショックで気絶して倒れたらびっくりするか

憂鬱だぁと思いながら重い足取りで荷物を取りに教室へ行く

「楪！お前大丈夫かよ！」

「え」

ガラリと扉を開ければ緑谷くん以外のクラスメイトがいて、驚きのあまり数回瞬きを繰り返す

「もう放課後なのに、なんで皆…」

俺がそう言うと切島くんはグッと何かを堪えた面持ちをする

「相澤先生から楪ちゃんの〝個性〟について、説明があったの」

蛙吹さんが答えてくれた言葉

「そっか…まあ、説明しないと意味分かんないよな」

頬をかいて笑って誤魔化そうとしたけど、誰も笑わなかった

「先生にどう聞いたかわからないけど、気にしないで？なんならいない物扱いしてもいいし…最悪学校辞めれば、」

ダァァンッ

机を叩いたと思われる強い音、その先を辿れば凄い顔した爆豪くん

俺へと近づいてくるのでつい後ずさりしたが、扉に邪魔されこれ以上下がれない

「辞めさせねえ、てめェもぶっ殺して俺は上に行くんだよ！！」

人差し指を俺へ突き立て、宣戦布告をされる

爆豪くんがそんなことするほど俺に価値は無いのに

「なんで、」

「友だちだからに決まってんだろ！！」

後ろから切島くんが出てきて、その言葉に胸を打たれた

皆の表情を見てみれば、誰も敵意なんて孕んでなくて

無性に泣きたくなった

.