【MHA】RE:SET【男主】 (ページ23)

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22回目ページ23

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一夜明け、保須総合病院

キューブは目を負傷したけど、今後の活動には影響しないらしい

俺の怪我は〝個性〟を使った事で一瞬で完治

キューブの見舞いの後、とある一室の扉をガラッと開ければあの三人がいた

「あ！楪くん！」

俺に気づいた緑谷くんが立ち上がろうとしたので止めた

「皆生きててよかった」

奇跡みたいと思って言わずにいられない

備え付けの客用椅子があったため、そこに腰掛ける

「刺された傷、大丈夫？」

そうか、皆白衣で包帯まみれなのに俺だけ何もないもんな

「思ったより浅かったんだ、平気だよ」

違和感のない返事をするのも大変なんだな

表情に影が落ちそうになった時、飯田くんに名前を呼ばれそちらを向く

「巻き込んでしまって済まなかった」

「たまたま居合わせただけだよ」

飯田くんは神妙な面持ちで俺に深々と頭を下げた

「応援呼んだけど、間に合わなかったみたいだし…」

三人の傷を見て俺はきゅっと拳を握り締める

「なぁ…あの時言ってたクロってやつ、お前の〝個性〟なのか？」

轟くんに言われ、あの時の出来事を思い返す

─クロ！ヒーロー殺しだけを攻撃するんだ、いいな！─

あぁ、言ったな、言ってしまったな

どう説明しよう、俺は膝の上に手を置いて指をもじもじさせながら考える

「まず、あの場所に居合わせたのは…俺の〝個性〟でなんだ」

俺がそう言うと三人とも驚いた顔をする

「てっきり僕が送ったメッセージ見たんだと…」

「？そんなの送ったのか？」

ここの皆がまだ気づいていない、楪藍色がスマートフォンすら持っていない原始人であると言うことを………

「｢えぇ？！｣」

病院だから静かにしような

「スマホ持ってないの…？」

「だからクラスのグループ20人しかいないのか…！」

「…悪りぃ」

あまりの衝撃に三人は顔を俯かせてしまった

これはまずい、と思い話の続きをすることにした

「俺の〝個性〟は自分の分身を操るもので、俺以外の人間にはその姿は見えない。その分身をクロって呼んでるんだ」

「…！体力テストの時ボールが浮いてたのはそのせい…？」

緑谷くんは思い出したようで、そうだと返せばなるほどっと頷く

「俺の〝個性〟が勝手に動き出して、ついて行ったらあそこに着いた」

「そうだったのか…」

俺は時計をチラリと見て椅子から立ち上がる

「長居しても悪いし帰るよ、お大事に」

「うん、ありがとう！」

見舞いの品に持ってきた果物を置いて病室を出た

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