【MHA】RE:SET【男主】 (ページ16)

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16回目ページ16

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皆が続々とヒーロー名を紹介していき、なかなかに好評だ

「思ったよりずっとスムーズ！残ってるのは再考の爆豪くんと…」

「飯田くん、緑谷くん、そして楪くんね」

「………」

だめだ、全く浮かばない

飯田くんは名前にするようだ

「えぇ、緑谷いいのかそれェ！？」

誰かのその声を聞いてホワイトボードを見つめていた視線を上げる

「うん。今まで好きじゃなかったけど、ある人に〝意味〟を変えられて…僕にはけっこうな衝撃で…嬉しかったんだ」

「これが僕のヒーロー名です」

デクと書かれたホワイトボードを誇らしげに見せる緑谷くん

好きじゃなかった、か…

俺はようやくペンのキャップを取り、ホワイトボードに滑らせる

ガタッと席を立ち上がり、教壇に上がれば皆の視線が注がれる

「俺のヒーロー名、は…」

伏せていたホワイトボードを皆へ向けた

〝Noir〟

「ノワール…でいいのかしら？」

「はい」

「良き！」

ミッドナイト先生はグッと親指を立て俺へサインを送る

それが少し嬉しくて、顔が綻んだ

ノワール、フランス語で黒を意味する

クロの名前だ

「爆殺卿！！」

「違うそうじゃない」

どうして爆豪くんは敵みたいなネーミングセンスしてるんだよ

同時刻職員室

「楪くんの職場体験、どうしましょうか…」

「上はなんと言ってるんだい？」

「危険は避けるべき、と」

セメントスとオールマイトはパソコンを前に悩み込む

「彼はヒーローを目指すと思いますか？」

セメントスの問いにオールマイトは自信あり気にこう答えた

「楪少年には十分、ヒーローの資質がありますよ」

「…本人に伝えたらどうです？」

「あ、…」

「あれ、1年の指名今頃来てますね。一名」

「緑谷くん来てますよ」

「──！へぇ！！どれどれ…この方は…！！！」

「…え、職場体験行っていいんんですか？」

放課後、また相澤先生に呼び出されたので今回も留守番なのだろうと思っていた

「ただ行く先はこちらが指名する事になる」

それでもいいか、と相澤先生は言う

檻から出ても、いいのだろうか

クロが暴走しないかなんて俺にはわからない

もし、一般人を巻き込んだら…

「楪、最悪の場合を考えすぎるな」

「ッ！」

「…こういうチャンスはあまりないぞ」

早く返事寄越せよと相澤先生は言い残して去っていく

俺は追いかける事ができなかった

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