【MHA】RE:SET【男主】 (ページ11)

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11回目ページ11

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2週間前、教師が普段使うであろう会議室の長い机に相澤先生と対面で座る

「体育祭の参加、どうするつもりだ」

「…参加できるとでも？」

楪は呼び出しに何事かと身構えていたが、そんなことかと思い少し気を軽くした

「生徒の意見は尊重する」

「政府の特例で入学させて、学校を軟禁の檻代わりにされてる子どもを…先生は生徒と思ってくれるんですか」

目の前に座る子どもが普通の子どもではない事は入学前に聞いていた

超常が発見され、原因も判然としないまま時が流れる中で一躍世間を騒がせた〝亜人(あじん)〟という存在

決して死なない未知の生物、不死であり、たとえ心臓を貫かれようがプレス機で圧死させようが〝生き返る〟

超人社会となった現在、かついていた〝特異体質〟の〝亜人〟は発見されなくなった

一説によれば個性因子の関係で消えてしまったとされている

誰もがその存在を知らぬまま時代は過ぎ、事の始まりは8年前

数多のヒーローが殉職した凶悪敵事件、一般市民の死者も多く楪の家族も被害者だ

戦闘によって瓦礫化した現場でただ一人生き残ったのが藍色だった

当初は家族に庇われたのか、等と思われたがあの悲惨な現場に藍色は無傷で生還した

周りにいた親族も瓦礫に潰れ、人とは言い難い形状になってしまっていた

不明な要素は多かったが、一時政府の運営する孤児院へと入所させられた

その孤児院で、藍色を虐めた数人の子どもが軽傷を負う出来事が起こる

「黒い影が守ろうとした」

幼い子どもの信じられない証言、だが傷つけられた子どもたちも直接手を出されていないのに気づいたら怪我をしてたと言う

孤児院の壁には大きな引っ掻き傷も残っており、藍色の〝個性暴走〟と思われた

楪藍色９歳、施設の3階から誤って転倒、頭部を強く打ち付け死亡

だがその数十秒後、奇妙な蒸発音と共に血溜まりの中から立ち上がる

数名の職員と児童が目撃、政府の特殊機関によって精密な検査を経て

楪藍色は現代の超人社会最後の〝亜人〟とされた

過去、〝亜人〟について研究していた資料から前回の事件はIBMと呼ばれる亜人にしか見えない物質であることが判明

藍色に従順かと思いきや自走気味であり、藍色に危害が及ぶ時に現れる事が多い

この点から政府の特務機関は楪藍色を隔離し、ヒーローからも敵からも露見されるのを防ぐ事にした

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