【BTS】はじまりのおと【男主】 (ページ14)

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夢ページ14

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－2011年 3月

再会の日から3年が過ぎようとした頃

僕はやっと今日からシヒョク氏、いや…パンPDの事務所の訓練生になる

M「体調には気をつけてね」

「わかってるよ、我儘言ってごめんね」

M「子どもの夢を応援するのも、親の勤めよ」

「絶対後悔させない、約束する」

F「約束だぞ」

半分目を瞑って眠そうにしてる父と、心底不安がってる母を思いきり抱きしめた

『いってきます！』

両親に手を振って別れを告げる

3年前、スカウトの事を相談して家族に猛反対された

父さんは世界的に有名なピアニストで、公演の為家を空けることが多い人だった

音楽の深さを知っているからこそ、自分の意志ではない軽率な挑みに怒ったらしい

だから僕はパンPDのスカウトを断った

残念そうにしてたが、受け入れてくれたパンPDは今でも感謝している

ソウルに引っ越して新しい学校では前のようなイジメにあうこともなく平和に過ごし

無難に普通科の高校へ進学する事を考えていた

そんな時、パンPDからの電話がくる

PD「久しぶりだね、元気かな？」

「お久しぶりです、健康そのものですよ」

PD「声変わりしたね！随分良い声になったもんだ」

「そうですか？あまり実感がありませんㅋ」

もう15歳、いつの間にか声変わりをしていたらしい

「…もうお話する事はないと思ってました。僕の電話番号、まだ残してくれていたんですね」

でもこの人のおかげで、辛かった時期を乗り越える事ができた

スカウトを断った時、その旨の感謝も伝えたつもりだ

PD「君の歌声がね、忘れられないんだ」

「…大袈裟ですよ。それに、声変わりしてもうあの声も出ません」

僕も酷いことを言うもんだ

だけどこれでいいんだ、生半可な気持ちは傷つき合うだけ

PD「君にスカウトを断られた日から、考えてしまうんだ。

実は今、とあるヒップホップグループを作ろうとしている。彼らを見ているとね、あの日の君の事を思い出す。

涙を流しながら歌う君を、穏やかに歌う君もね」

忘れたいとすら思う昔の恥ずかしい話だ

PD「でもシウォナ、君は歌う楽しさをまだ知らないんだ」

「どういう意味ですか」

PD「心の底から、歌を愛せていない。その熱に触れているのに君は見て見ぬフリをしている」

ドクン、ドクン

パンPDの言葉に揺れている自分がいる

この人の話をこれ以上聞いてしまえば、僕はまた夢を見てしまう

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