【BTS】はじまりのおと【男主】 (ページ13)

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同じ様に歌ったつもりだったのに、そんな風に言われたのは初めてでどう反応すればいいのか迷う

PD「ある意味凄いことだよ、歌に気持ちが乗るのはいい事だからね」

こんなに褒められると思わなくて頬に熱が集まる

「そうですか…」

PD「シウォナ、君は今幾つ？」

「12歳です」

PD「若いね！？」

「今年で13ですよ」

シヒョク氏は何やら考え込んでいるのか、口元に手を当てて

少し経った後、よし！と拳を叩いて僕の事を見る

PD「折行って話がある」

「な、なんでしょう」

PD「スカウトしたいんだ」

「誰を？」

PD「君を！」

「えぇ！？」

突然すぎるシヒョク氏の言葉に驚きが隠せない

PD「シウォナに歌を作りたいと思ってしまったんだ」

つまりこれは僕が歌手になれる可能性があるって事でいいんだろうか

僕なんかにこんな評価をしてくれたシヒョク氏への感謝と同時に

家族の事を考えてしまう

父は許してくれるだろうか、母だって退院したばかりできっと大変だし

でも夢なんて今はなくて、誰もが憧れそうな選択肢を今与えて貰ってる

僕はすぐに返事をすることが出来なかった

「両親に相談しても、いいですか」

PD「もちろん」

「ありがとうございます」

それなりに辺りが暗くなってきた

PD「今日はありがとう、連絡待っているよ」

「はい」

シヒョク氏が車に乗り帰ったのを見送って僕も家に向かう

「どうしよう…」

溜息がでる

とりあえず、父さんに相談しよう思い

父さんの連絡先をタップしたら数回のコールの後に電話にでてくれた

F『初音か、どうかしたんだ』

『ちょっと相談があって』

F『急用か？』

『いや、急いではないけど…』

F『なら後にしてくれ、公演の準備があるんだ』

『忙しいのにごめん』

F『いや、私も…Oui j'y vais maintenant(はい、今行きます)！悪い、切るぞ』

『うん、頑張ってね』

ツーッツーッと切れた電話から音がする

母さんにかけてもきっと今は出れないだろう

祖父母は応援してくれるだろうか、いや。確か祖父はアイドルとか嫌いだから反対する

「はぁ〜…」

晴れていた夕暮れの空に、雲が流れている

今の僕の気分によく似てるじゃないか

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